2017年12月10日日曜日

Nutanix AHVの紹介 その1 ぶっちゃけAHVって使えるの?

この記事はNutanix Advent Calendar 2017/12/10 の記事です

Nutanixの知名度が上がると同時に、AHVの存在も徐々に知られるようになりってきました。しかし、AHVにおける情報は未だ少ないということもあり、AHVのおいて、懐疑的に思われている方もいます。
今回は、まずAHVの紹介をしていきたいと思います。

その1 AHVは、Nutanixを買えば使える無料のハイパーバイザー

このAHVが無料というキーワードは多く浸透している気がしますが、ただほど高い物はないと考えられる方もいるため、疑いを持っている方も居るかもしれません。
AHVは、KVMをベースとしたハイパーバイザーですが、KVMは世界で多く使われているオープンソースのハイパーバイザーです。
ただ、KVMの機能だけでは、Enterpriseな環境ではどうしても機能として不足する面があります。そこを補う形にしてEnterpriseな企業においても利用できるハイパーバイザーとしてAHVが誕生したのです。


その2 AHVエンタープライズな機能を搭載

AHVは、エンタープライズな機能を搭載していると言っていますが具体的にどのような機能かを含め、紹介したいと思います。
まずは、仮想マシンとしては今までの仮想基盤と同じ、vCPUやRAM等必要なコンポーネントを作成すると言うことは何も変わりません。

(参考)AHVでの仮想マシン作成の画面


エンタープライズな機能とは、まさ、「可用性」の話しです。
まずは、仮想化ホストのダウンに伴う、仮想マシンの共倒れについてです。
これを防ぐための機能として一般的なハイパーバイザーでは「HA (High Availability)」が搭載されています。
Nutanixにももちろん、HA機能が搭載されています。しかも、この機能はデフォルトで有効です。ホストがダウンした場合、自動的に別の稼働中のホストで仮想マシンを再起動する機能は標準で有効です。また、ホストダウンを考慮し、N+1の概念に基づき、1台分のリソースをあらかじめ確保する動きを自動で行う機能も有効化することが出来ます。

(参考)HAによるリソース確保の設定画面


では、特定の仮想マシンが大幅にCPUリソースを消費してしまう、いわばNoisyNaverの対応に関してはどうでしょうか。VMware vSphereの場合は、NoisyNaiverの仮想マシンが居るホストに所属する他の仮想マシンを、あいているESXiホストに自動で動かしてくれる機能「DRS」があります。
Nutanixも同様に、NoisyNaverな仮想マシンを見つけると、同じホストに所属するそのほかの仮想マシンをよそのホストに移動する「ADS」という機能が存在しています。
また、特定の仮想マシンはこのホストだけでしか動作してほしくないと言ったアフィニティルールの設定ももちろん可能です。

(参考)アフィニティルールの設定画面(仮想マシンが稼働可能なホストをマウスで選択)


さて、ハイパーバイザーとしての高機能性はわかりましたが、アプリケーションの冗長構成を行い、OSやマシンレベルではなくサービスレベルでの冗長性を組みたいと要望されるケースもあります。その際に、よく使われるのがWindows Serverの場合、WSFC(Windows Server Failover Cluster)だと思います。
WSFCを構成する場合、SCSIやFCを利用したQuorumディスクを構成し、Active/Stanbyの構成を組みます。これは通常の仮想ディスクの構成では、組むことが出来ないので、VMware vSphereの場合は、RDM(Raw Device Mapping)とよばれる、FC等で接続された共有ディスクを直接仮想マシンに見せる機能を利用していました。
では、これがNutanixの場合どうなるのでしょうか?
Nutanixには、ABS(Acropolis Block Service)といわれる、仮想マシンや物理マシンに対して、iSCSIを利用してディスクを共有ディスクを提供できます。これを利用することで、WSFCの構成も簡単にできます。
また、iSCSIで提供するディスクボリュームもNutanixオリジナル機能である、スナップショット機能でバックアップやレプリケーションも出来ます。

(参考)iSCSIでマウントできるディスクボリュームの作成画面(ABS)

(参考)Oracle Fail Safeも問題なくAHV上で構成可能です。



さて、ここまで見てみると、AHVは、企業のミッションクリティカルな現場で利用するにも十分な機能をもっていることがわかりました。
では、次回以降で、AHVを利用する際の注意点や使いどころをご紹介したいと思います。

明日は、仮想化からそれ以外までの幅広い知識をお持ちのエンジニア @intertoさんです。

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